●病態
・脂質異常症は,高LDL-C血症,高TG血症,低HDL-C血症などの病態の総称である.小児脂質異常症の診療において一番大事なことは,遺伝性脂質異常症であるかどうかの診断である.
・高LDL-C血症:LDL受容体経路にかかわる遺伝子の変異による家族性高コレステロール血症(FH:familial hypercholesterolemia)ホモ接合体(HoFH),FHヘテロ接合体(HeFH),ABCG5/8に変異を有するシトステロール血症などである.高LDL-C血症により,若年齢からの動脈硬化症の発症および進展が問題となるため早期診断,早期治療が重要である.
・高TG血症:リポ蛋白リパーゼやアポリポ蛋白CⅡなどの遺伝子変異による原発性高カイロミクロン血症.
・低HDL-C血症:ABCA1遺伝子変異によるタンジール病,LCAT遺伝子変異によるLCAT欠損症.
・低LDL-C血症:MTP遺伝子変異によ
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