●病態
・医薬品が適切に選択され適正に使用されても,まれに有害な薬物反応が起こりうる.その大半は薬理作用に基づく反応だが,一部は薬理作用からは予測されない反応である.薬剤アレルギーは後者に属し「薬剤の投与を受けた生体で発生する,薬剤またはその体内代謝物を抗原として,それに対応する抗体あるいは感作リンパ球との間で発現した免疫反応」と定義される.
・近年は,この定義では説明しきれない反応も知られている.その例として,薬剤性過敏症症候群(DIHS:drug-induced hypersensitivity syndrome)は薬剤アレルギーだけでなくウイルス(主にHHV6)再活性化も加わって遷延する症状を引き起こす.
●治療方針
A.診断
薬剤アレルギーの可能性を疑うことがまず重要である.問診で確認すべき重要項目は,薬剤投与と症状発生との時間的関係,薬剤投与中止の影響,薬剤再投与(もし行われたのならば)
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