診療支援
治療

腸閉塞症
intestinal obstruction
村越孝次
(東京都立小児総合医療センター消化器科・部長)

●病態

・何らかの原因により腸管の通過が障害されている状態で,主症状は腹部膨満,腹痛,悪心・嘔吐,便秘である.

・従来,腸管の蠕動障害やれん縮による機能的な通過障害を「機能性イレウス(functional obstruction)」,器質的原因で腸管の狭窄や閉塞をきたしたものを「機械性イレウス(mechanical obstruction)」と分類していた.

・「急性腹症診療ガイドライン2015」では,機能性イレウスを「イレウス(ileus)」,機械性イレウスを「腸閉塞(intestinal obstruction)」とする,海外同様の分類が提唱された.

・腸閉塞はさらに,罹患腸管の血行障害を伴う絞扼性腸閉塞と,血行障害を伴わない単純性腸閉塞に分類される.

・イレウス(機能性イレウス)の原因は,感染性胃腸炎,穿孔性虫垂炎,電解質異常(低カリウム血症など),薬剤性(ロペラミド,アヘン製剤,ビンクリスチ

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