●病態
・何らかの原因により腸管の通過が障害されている状態で,主症状は腹部膨満,腹痛,悪心・嘔吐,便秘である.
・従来,腸管の蠕動障害やれん縮による機能的な通過障害を「機能性イレウス(functional obstruction)」,器質的原因で腸管の狭窄や閉塞をきたしたものを「機械性イレウス(mechanical obstruction)」と分類していた.
・「急性腹症診療ガイドライン2015」では,機能性イレウスを「イレウス(ileus)」,機械性イレウスを「腸閉塞(intestinal obstruction)」とする,海外同様の分類が提唱された.
・腸閉塞はさらに,罹患腸管の血行障害を伴う絞扼性腸閉塞と,血行障害を伴わない単純性腸閉塞に分類される.
・イレウス(機能性イレウス)の原因は,感染性胃腸炎,穿孔性虫垂炎,電解質異常(低カリウム血症など),薬剤性(ロペラミド,アヘン製剤,ビンクリスチ