診療支援
治療

特発性新生児肝炎
idiopathic neonatal hepatitis
水落建輝
(久留米大学小児科学・講師)

●病態

・生後2か月以内に,遷延性黄疸や灰白色便などを契機として診断された肝内胆汁うっ滞症で,既知のウイルス性や代謝性・遺伝性の疾患が除外されたものを特発性新生児肝炎という.一般的に,血清直接型ビリルビン値が1.5mg/dL以上のときは,胆汁うっ滞と判断する.

・症状は,黄疸,灰白色便,体重増加不良,肝腫大などで,血液検査では血清のAST/ALT,直接型優位のビリルビン,総胆汁酸などが上昇する.

・予後は比較的良好で,多くは6か月以内に胆汁うっ滞の症状と血液検査所見は正常化する.

●治療方針

 栄養管理,利胆薬,脂溶性ビタミンの補充など対症療法が主体である.

A.栄養管理

 胆汁うっ滞が強く,体重増加不良を認める場合には,中鎖脂肪酸含有特殊ミルク(MCTフォーミュラなど)を用いる.

B.利胆薬

 三次胆汁酸であるウルソデオキシコール酸(ウルソ顆粒など)5~10mg/kg/日が主に用いられる.

C.脂溶性ビタミ

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