●病態
・生後2か月以内に,遷延性黄疸や灰白色便などを契機として診断された肝内胆汁うっ滞症で,既知のウイルス性や代謝性・遺伝性の疾患が除外されたものを特発性新生児肝炎という.一般的に,血清直接型ビリルビン値が1.5mg/dL以上のときは,胆汁うっ滞と判断する.
・症状は,黄疸,灰白色便,体重増加不良,肝腫大などで,血液検査では血清のAST/ALT,直接型優位のビリルビン,総胆汁酸などが上昇する.
・予後は比較的良好で,多くは6か月以内に胆汁うっ滞の症状と血液検査所見は正常化する.
●治療方針
栄養管理,利胆薬,脂溶性ビタミンの補充など対症療法が主体である.
A.栄養管理
胆汁うっ滞が強く,体重増加不良を認める場合には,中鎖脂肪酸含有特殊ミルク(MCTフォーミュラなど)を用いる.
B.利胆薬
三次胆汁酸であるウルソデオキシコール酸(ウルソ顆粒など)5~10mg/kg/日が主に用いられる.
C.脂溶性ビタミ
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/レチノールパルミチン酸エステル《チョコラA》
- 治療薬マニュアル2024/アルファカルシドール《アルファロール ワンアルファ》
- 治療薬マニュアル2024/トコフェロール酢酸エステル《ユベラ》
- 治療薬マニュアル2024/メナテトレノン《ケイツー ケイツー》
- 治療薬マニュアル2024/ウルソデオキシコール酸《ウルソ》
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿アミラーゼ [保] 11点(包)
- 新臨床内科学 第10版/(1)ジルベール症候群,クリグラー-ナジャー症候群
- 新臨床内科学 第10版/(2)急性妊娠性脂肪肝
- 新臨床内科学 第10版/1 ウィルソン病
- 今日の診断指針 第8版/体質性黄疸
- 今日の小児治療指針 第17版/ビタミン代謝異常(葉酸,ビオチン,B12)
- 今日の小児治療指針 第17版/ビタミン欠乏症・過剰症・依存症
- 今日の小児治療指針 第17版/薬剤性肝障害
- 今日の小児治療指針 第17版/慢性肝内胆汁うっ滞症