●病態
・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:nonalcoholic fatty liver disease)は,成人と同様に今や小児の慢性肝疾患の原因として最も多い疾患である.
・NAFLDの重症度は幅広く,比較的予後良好と考えられる非アルコール性脂肪肝(NAFL:nonalcoholic fatty liver)から,肝硬変へ進展しうる非アルコール性脂肪肝炎(NASH)までを包括する.
・NAFLDは肝臓におけるメタボリックシンドロームの表現型と考えられる.インスリン抵抗性はNAFLD,とりわけNASHの発症における基本的な病態である.
●治療方針
すべての小児NAFLDにおいて,食事の見直しと運動量の増加による生活習慣の改善が第1選択として推奨される.しかし患児が食事と運動を遵守することは,しばしば困難である.
A.生活習慣の改善
体脂肪の減少のために糖質を含む飲料をとらないようにし,中