診療支援
治療

肺動脈性肺高血圧症の薬物治療
current medical therapy for pulmonary arterial hypertension(PAH)
中山智孝
(高知大学小児思春期医学・講師)

治療のポイント

・小児の肺動脈性肺高血圧症(PAH)の管理については,日本循環器学会と日本肺高血圧・肺循環学会の合同で発表された「肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版)」の「小児における肺高血圧症」の項を参照のこと.

・PAH治療に用いられる薬剤には,一般的治療薬とPAH特異的治療薬がある.

・特異的治療薬は作用機序の異なる3系統の薬剤,エンドセリン受容体拮抗薬(ERA),ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害薬/可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬,プロスタサイクリン製剤に大別される.これら特異的治療薬は第1群のPAH患者にのみ適応があり,ほかの臨床グループ(第2~5群)に属する患者には適応がない.

●病態

・PAHは,特発性または二次性に,毛細血管の手前にある肺細小動脈に機能的および器質的な閉塞が生じることで,肺血管抵抗が進行性に上昇し右心不全に至る疾患である.血行動態上,安静時

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