診療支援
治療

Fontan術後慢性期管理
先崎秀明
(国際医療福祉大学小児科学・主任教授)

●病態

・Fontan(フォンタン)循環は,単心室循環におけるチアノーゼ解消のために行われる右心バイパス手術であり,右室ポンプ機能欠落のための特異な循環を呈する.特に循環維持のための静脈圧の上昇は,遠隔期の全身のおそらくすべての臓器で機能不全をもたらし予後と関連する.

・したがってFontan術後の慢性期管理では,静的にも動的にもいかに静脈圧を低く保つかを主眼におきながら,心血管機能増悪因子の是正を考えた薬物,非薬物療法が必要である.

・どのようにFontanに達するかの時代から,どのようによいFontanに達し,どうやって遠隔期合併症の少ないよいFontanを維持するかの時代である.

●治療方針

 Fontan循環の特異性を鑑みて以下の項目が治療,指導介入の標的になりうる.循環全体を包括的に評価,介入,そして評価の手順を繰り返すこまめな管理が必要である.その意味で「①静脈圧の実測経過観察」は意味あ

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