診療支援
治療

循環器疾患の移行期医療
三谷義英
(三重大学医学部附属病院周産母子センター・病院教授)

A.成人期先天性心疾患(ACHD)

 医療技術の進歩により,成人期先天性心疾患(術前,術後)(ACHD:adult congenital heart disease)の患者数は年々増加し,わが国では小児患者数を超え,すでに50万人以上に達し,年間約10,000人の増加が見込まれる.

 先天性心疾患(CHD)患児は,心内修復術後も含め重症度に応じて,加齢に伴う病態の変化と合併症・続発症に対して成人期も定期的な経過観察が必要である.患者の成長に伴う自立・自律と成人期医療の専門性と多様性の点から,小児科から内科ないしACHD専門施設への移行が望ましい.

1.病態

 CHDは治療歴から二心室修復術後,単心室血行動態の疾患のFontan(フォンタン)術後,未修復・姑息術後例の大きく3つに分類される.未修復の心房中隔欠損は,成人期に偶然の機会,成人病検診ないし心不全,肺高血圧,不整脈などで発見される.

 術後例

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