診療支援
治療

von Willebrand病
von Willebrand disease(VWD)
志田泰明
(奈良県立医科大学小児科学)

●病態

・フォン・ヴィレブランド病(VWD)はフォン・ヴィレブランド因子(VWF:von Willebrand factor)の量的,質的な欠損や欠乏により,出血症状を呈する疾患群である.

・量的異常(低下:タイプ1,完全欠損:タイプ3)あるいは質的異常(タイプ2)に分類される.タイプ2はVWF機能障害の種類により,さらに2A,2B,2M,2Nのサブタイプに分類される.

・血小板粘着凝集障害による皮膚粘膜出血を主症状とするが,特にタイプ2Nや3では二次的な第Ⅷ因子(FⅧ)の低下から凝固障害による深部出血も認める.

●治療方針

 止血困難時や観血的処置時には止血療法を行う.①非特異的な止血補助治療(トラネキサム酸,エストロゲン,フィブリン糊など)と,②VWFやFⅧ濃度を上昇させる特異的治療〔酢酸デスモプレシン(DDAVP),VWF含有第Ⅷ因子濃縮製剤(FⅧ/VWF製剤)〕がある.③血小板機能を低下させ

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