●病態
・小児がんのなかでは白血病に次いで固形腫瘍の約20%を占める.WHO分類では120種類以上に分類され,多くの希少がんが混在した疾患群である.
・症状は腫瘍の増殖速度や大きさ,発生母地により変わるが,脳腫瘍による中枢神経の症状は頭蓋内圧亢進症状と局在神経症状に大別できる.頭蓋内圧亢進症状は腫瘍によるmass effectによるもの,髄液循環路遮断に伴う水頭症によるものなどがある.局所神経症状に関しては,脳の機能局在により腫瘍の発生母地が関係する.その他,てんかん,精神症状,内分泌障害(尿崩症や成長障害)などが起こりうる.
・多くの小児脳腫瘍は原因が不明なものが多いが,大規模な遺伝子解析研究やゲノム解読により特異的な遺伝子異常を指摘されているものもあり,新しいWHO分類では病理診断に加えて分子分類が採用されているものもある.
・脳腫瘍を合併しやすい疾患としては,Li-Fraumeni症候群,L