●病態
・女性の性器出血は原因が多岐にわたり初経の前後で異なる.
・初経前ではホルモン性と非ホルモン性とに分類される.
a)ホルモン性:新生児月経様出血,外因性エストロゲン,早発思春期など
b)非ホルモン性:尿道脱,尖圭コンジローマ,硬化性苔癬,感染性腟炎など
・初経後では妊娠性と非妊娠性とに分類される.
a)妊娠性:「妊娠」(→)参照
b)非妊娠性:月経異常,性感染症,出血性素因など
・外傷,異物および腫瘍による出血はいずれの時期にも起こりうる.
・特に思春期以降では,問診は家族同席のみならず本人単独でも行うこと,十分な説明後の同意を得たうえで視診,直腸診,画像検索などを考慮すること,麻酔下での診察を必要とする場合があることを認識する.
●治療方針
A.月経異常
初経から1~2年は視床下部-下垂体-卵巣系が未熟であり,無排卵性月経が多い.無排卵性出血を認め,2か月以上にわたって出血が8日以上続くこと,周期が24日未満であることもある.その他の疾患が除外されれば治療を必要としないことも多いが,重症例ではホルモン療法を考慮し専門医に相談する.
1.出血している場合
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
➊ノアルテン薬錠(5mg) 1回1錠 1日1~2回 止血し貧血が改善するまで
➋ルナベル薬配合錠LD 止血するまでは1回1錠 1日1回 夜間,止血したら1回1錠 1日2回 12時間ごと 2日間,その後は1回1錠 1日1回 21日間以上
2.出血していない場合
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
ルナベル配合錠の保険適用は月経困難症であり,適応外使用に注意する.
3.ルナベル配合錠で消化器症状が強い場合
Px処方例
ピレチア薬錠(25mg) 1回1
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