治療のポイント
・臨床経過・予後の異なる症候群が存在し「小児急性脳症診療ガイドライン2016」に診療のフローチャート,治療の推奨度が示される.
・初発神経症状の多くはけいれん重積・遷延状態であり,適切で迅速な薬物治療と全身管理が重要である.
・ステロイドパルス療法は,ANEに対し早期の施行が推奨される.AESDには施行しない選択肢も取りうる.MERS典型例には施行する必要はない.
・脳低温・平温療法の有効性に関する明確なエビデンスはない.
●病態
・急性脳症は「小児急性脳症診療ガイドライン2016」で「感染に伴いJCS 20以上(GCS 10~11以下)の意識障害が急性に発症し,24時間以上持続する」と定義された.
・臨床経過・予後の異なる症候群の集合体であり,その病態として①代謝異常〔特にミトコンドリアのエネルギー産生障害,Reye(ライ)症候群など〕,②高サイトカイン血症〔急性壊死性脳症(ANE)な
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