診療支援
治療

身体症状症および関連症群,詐病(作為症)
somatic symptom and related disorders,factitious disorder
河野政樹
(虹の子どもクリニック・院長(広島))

●病態

・DSM-5では,DSM-Ⅳでの身体表現性障害の要件であった「身体医学的に説明できない身体症状」の判断には信頼性が乏しいという理由により,新たに「身体症状症および関連症群(somatic symptom and related disorders)」という用語が採用された.そして,この下位に「身体症状症」「病気不安症」「変換症」「他の医学的疾患に影響する心理的要因」「作為症/虚偽性障害(factitious disorder)」「他の特定される身体症状症および関連症」「特定不能の身体症状症および関連症」が位置づけられた.

・明確な身体所見や客観的な検査上の異常や診察上の異常所見がないにもかかわらず,身体関連の執拗な訴えがある疾患群を総称している症候群である.

・作為症(詐病)と身体症状症との違いは,作為症は意図的に作り出されたりねつ造されたりしたものであるという点にある.精神病理は「とら

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