診療支援
治療

非行
delinquency
藤川洋子
(京都工芸繊維大学アクセシビリティ・コミュニケーション支援センター・センター長)

 「非行と犯罪とはどう違うのか」と尋ねられることがある.法律で定めた構成要件を満たした行為を「犯罪」とする(罪刑法定主義)ことから,非行は犯罪ほど厳格ではなく「してはいけないこと」全般であって,主に青少年の逸脱行為を表すように思われる.そうなると警察や児童相談所,青少年サポートセンター,家庭児童相談室,子育て相談室などの前に,人柄がわかっていて信頼できる小児科医に,この種の相談がもちかけられるであろうことは想像に難くない.

 小児科医が「非行」とかかわりをもつ場面もいろいろだろう(いずれも14歳未満).

A.事例(保護者からの相談)

 a)担任の先生から「落ち着きがない,すぐ手がでる」と注意されました.実は私の弟が中学生の頃から非行に走って,親をずいぶん心配させたこともあって,小学校4年になったこの子も何かしでかすに違いないと毎日ビクビクしています.先生,どうしたらいいですか.

 b)うちの子,3

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