●病態
・脊椎の後方要素(椎弓・棘突起)が癒合せず,分離していることから名づけられた病名である.顕在性二分脊椎(脊髄髄膜瘤など)と潜在性二分脊椎(脊髄脂肪腫など)に分類される.
・麻痺のレベルにより関節拘縮・股関節脱臼・足部変形・脊柱変形などを生じ,整形外科的治療を要することが多い.
●治療方針
初診時には病歴を十分にとり,脳外科での手術歴,水頭症や脳室腹腔シャントの有無,膀胱直腸障害の有無,精神運動発達など全身状態を把握する.麻痺レベルや水頭症の有無などから,患児の運動レベルのゴールを設定し,装具・リハビリテーション・手術などを組み合わせた長期的な治療方針を立て治療していく.
A.股関節脱臼
股関節脱臼に対する治療方針は,下肢の運動麻痺レベルにより決定する.麻痺が胸髄レベルと高く下肢全体が麻痺している場合は,脱臼の治療はせずに股関節の拘縮を起こさないようリハビリテーションを中心とする.大腿四頭筋