●病態
・大腿骨骨頭と臼蓋の接触がないものが脱臼,接触があるが骨頭が外方化しているものが亜脱臼,臼蓋角が高値で骨頭に対して臼蓋被覆が浅いものが臼蓋形成不全であり,これら3つの病態を含めて「発育性股関節形成不全」と定義される.
・新生児期では,麻痺や関節弛緩性の有無が診断できず,これらによって二次的に脱臼を生じているものもあり,治療法の選択に関しては原因疾患を考慮する必要がある.
・胎内で屈曲位にある股関節,膝関節が出生後に伸展位になることで,骨頭が臼蓋から後方に押し出され脱臼が生じる.
●治療方針
月齢,運動発達,開排制限の程度,脱臼度によって治療選択を行う.
A.生後3か月まで
患児の股関節運動を阻害しないような衣服,ベビー用品の選択を促す.また長時間抱っこをする場合は,股関節開排位でのコアラ抱っこを勧める.この時期の亜脱臼は生活指導だけで改善することも多い.
B.生後3か月以降
生後3か月以降は,