●病態
・つま先を内側へ向けて歩く様をうちわ歩行,つま先を外側へ向けて歩く様をそとわ歩行という.前者は内股歩行・内旋歩行と,後者は外股歩行・外旋歩行と同義とされている.いずれも両側性の場合が多いが,片側性の場合もある.
・うちわ歩行の原因には,先天性内転足・内反足,下腿骨内捻,大腿骨内捻,過前捻症候群,麻痺性疾患などがある.
・そとわ歩行の原因には,外反扁平足,下腿骨外捻,膝関節後外側回旋不安定性,大腿骨外捻,大腿骨臼蓋インピンジメント(FAI:femoroacetabular impingement)などがある.
●治療方針
最も頻度の高い過前捻症候群によるうちわ歩行に対しては,とんび座りの禁止と胡坐の励行を指導するが,この生活指導の有効性は証明されていない.装具療法の有効性は明らかでないため,医療経済学的見地からは推奨されない.
機能的・整容的問題が大きく,患児と家族がともに治療を強く希望する