●病態
・脳性麻痺は早産,低出生体重,新生児仮死などが主な原因とされ,その発生率はおよそ2/1,000出生である.筋緊張のコントロールと運動の協調性が障害されることにより,厚生省の定義(1968)にある「永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常」を生じる.
・痙直型,アテトーゼ型,失調型,混合型に分類される.
●治療方針
脳性麻痺児の治療はその重症度,目的によってさまざまである.ここでは主に,下肢の症状に対して整形外科で行っている治療法(内服とリハビリテーションを除く)について紹介する.
A.装具療法
装具の使用により筋力不均衡から生じた変形のある関節を良好な肢位に保ち,変形や拘縮の進行を予防する.立位や歩行を行う患児では安定性を高め,運動発達訓練を促す効果も期待できる.痙直型の両麻痺児では,幼児期より尖足変形を生じることが多く,短下肢装具を歩行時や夜間に使用する.股関節の内転変形が強い患児で