診療支援
治療

乳児脂漏性湿疹,新生児痤瘡
infantile seborrheic dermatitis,neonatal acne
川上理子
(聖母病院皮膚科・顧問(東京))

●病態

・皮脂腺は在胎20週頃より発達して皮脂を分泌し,胎脂を形成している.

・皮脂腺は手掌足底を除く全身にみられるが,特に脂漏部位である顔面,頭部に最も多くみられる.新生児期から生後2か月頃までは血中アンドロゲンのDHEAが高値で,その影響により皮脂の分泌が亢進している.

・乳児脂漏性湿疹は生後2~8週頃にまず前頭部や眉毛部に黄白色の乳痂が付着し,その後,額,頬,口囲にも紅斑,丘疹や脂漏性の痂皮,落屑がみられる.頸部,腋窩,陰股部などの間擦部位,臍周囲にも紅斑を生じることがある.

・鑑別疾患である乳児のアトピー性皮膚炎は生後2~6か月頃より口囲,両頬に浸潤性の紅斑がみられ,次第に体幹四肢に拡大し,かゆみが強い.皮疹が2か月以上持続する,家族にアトピー歴がある,血中IgE値が高値であることより診断できる.

・新生児痤瘡は男児に多く,生後2週以降に額,眉間,頬に毛孔一致性の丘疹,小膿疱,白色面皰がみら

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?