診療支援
治療

色素細胞母斑(扁平母斑を含む)
melanocytic nevus(including nevus spilus)
松下茂人
(国立病院機構鹿児島医療センター皮膚腫瘍科・皮膚科・部長)

●病態

・色素細胞母斑は,色素細胞(メラノサイト)に形態や機能が類似した母斑細胞の増生により生じる良性の皮膚病変である.一方で,扁平母斑は表皮基底層のメラニン色素の増加により生じる.

・臨床症状は,色素細胞母斑では褐色から黒色調の色素斑~隆起性病変であり,扁平母斑は淡い茶褐色調の扁平な色素斑となる.

・色素細胞母斑は,出生時より存在するか否かによって先天性と後天性に区別され,病理組織学的な母斑細胞の存在部位によって境界部型(表皮真皮境界部のみ),複合型(境界部と真皮内),真皮内型に分類される.

・発症時期は,後天性色素細胞母斑だと乳幼児~小児期に生じることが多いが,思春期以降に発生することもある.扁平母斑は乳児期からみられることが多い.

・先天性色素細胞母斑の場合,成人の時点で長径が20cmを超えることが予想されるような大型のものだと発生頻度は非常に低いものの,病変から悪性黒色腫が出現することが報告

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