A.在宅障害児にとっての食事
子どもにとって食事は成長・発育や健康維持に寄与するだけでなく,生体リズムを整え,安らぎを得,健やかな家族関係形成を促進し,在宅生活を支える大きな原動力になる.
経口摂取による栄養法は生理的であり,可能な限り経口での栄養摂取を試みる.経口で十分な栄養が摂取できない場合は経腸栄養の導入を考慮するが,その場合も食事を楽しめるように支援する.
B.摂食嚥下障害をきたす病態
a)解剖学的異常:唇顎口蓋裂,小顎症,喉頭軟化症,食道狭窄などがある.
b)嚥下機能障害:脳性麻痺,筋ジストロフィー,ミオパチー,薬剤の副作用などがある.
c)全身性疾患の影響:呼吸障害,耳鼻科疾患,胃食道逆流症,てんかん発作などがある.
C.嚥下障害の症状
食事中のむせやつかえ・喘鳴・痰・呼吸障害,食事摂取量減少,食事時間延長,食事拒否,体重増加不良,発熱,低栄養などがある.