診療支援
薬剤

溶性ピロリン酸第二鉄新様式
3222
ferric pyrophosphate,soluble
インクレミン Incremin(アルフレッサ)
 シロップ:5% 50mg(Fe:6mg)/mL

適応

鉄欠乏性貧血

用法

小児1歳未満:1日2~4mL(鉄として12~24mg),1~5歳:1日3~10mL(鉄として18~60mg),6~15歳:1日10~15mL(鉄として60~90mg) 分3~4(増減) ►風味‍ 注意下痢,吐乳等を起こし易い低出生体重児,新生児又は乳児→少量から開始し,身体の様子を見ながら徐々に通常1日量まで増量

禁忌

鉄欠乏状態にない患者(鉄過剰症の恐れ)

注意

〈検査〉潜血反応で偽陽性あり 〈取扱上〉

➊0℃を下回るとD-ソルビトールの結晶析出のおそれ

➋光により変色することがあるので他の容器に分割して使用する場合には遮光して保存

〈その他〉

➊一過性に歯又は舌が着色(黒色等)することあり

➋一過性に便が黒色を呈することあり

③動物実験で,大量のアロプリノールとの併用で肝の鉄貯蔵量増加の報告

患者背景

〈合併・既往〉

①消化性潰瘍,慢性潰瘍性大腸炎,限局性腸炎等の胃腸疾患(増悪)

②発作性夜間血色素尿症(溶血誘発)

相互

〈併用注意〉

1)テトラサイクリン系抗菌薬(テトラサイクリン,ミノサイクリン等):相互に吸収阻害し効果減弱→服用間隔を2~4時間とする(難溶性のキレートを形成,血中濃度低下)

2)制酸薬:吸収が阻害され効果減弱→投与間隔をあける(消化管pH上昇により鉄の溶解性減少.難溶性の塩を形成)

3)セフジニル,ニューキノロン系抗菌薬(オフロキサシン,シプロフロキサシン,ノルフロキサシン等)の吸収を阻害し効果減弱→投与間隔をあける(難溶性のキレート形成)

4)甲状腺ホルモン製剤(乾燥甲状腺,レボチロキシン,リオチロニン等)の吸収を阻害し効果減弱→投与間隔をあける(難溶性の複合体を形成)

5)タンニン酸を含有する食品:吸収が阻害され効果減弱(不溶性の塩を形成)

飲食物

過量投与

〈症状〉胃粘膜刺激による悪心,嘔吐,腹痛,血性下痢,吐血等の消化器症状.また,頻脈,血圧低下,チアノーゼ等.重症

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