〔治療の基本方針〕
1)1型糖尿病ではインスリン不足を補って血糖コントロールを含む代謝状態を正常に近づける.若年者ではそのコントロールにより心身の正常な発育を得る
2)2型糖尿病では患者のもつインスリン分泌反応低下やインスリン抵抗性増大の病態に合わせて治療し,良好な血糖コントロールを保ち,肥満を改善する
3)1型も2型も腎症,網膜症,神経障害,大血管合併症などの出現・進行を防止する
4)血圧,脂質異常症も同時にコントロールする.図
〔治療〕
A.食事療法:まず受診前の食生活を把握する.次いで食事療法の基本のエネルギー摂取量を,目標体重あたり25~30kcalで算出する.「糖尿病食事療法のための食品交換表」に沿って患者に指導するのが基本である.炭水化物の割合を40~60%とする.
B.運動療法:運動療法は患者の生活環境や運動経験を聞いて速歩などを勧める.
C.薬物療法:食事・運動療法を行っても治療目標を達成