今日の診療
治療指針

閉塞性細気管支炎
bronchiolitis obliterans(BO)
武政聡浩
(獨協医科大学准教授・呼吸器・アレルギー内科)

頻度 あまりみない

GL難治性びまん性肺疾患診療の手引き(2017)

治療のポイント

・有効な治療法は確立されていない.

・移植後や自己免疫疾患を病因とする症例では,免疫抑制を強化する.細気管支炎にマクロライド系薬長期少量投与を検討する.

・閉塞性換気障害に気管支拡張薬を使用する.呼吸不全に酸素療法や換気補助療法を行う.

・内科的治療抵抗性で呼吸状態の悪化する進行例では,肺移植を検討する.

◆病態と診断

A病態

・閉塞性細気管支炎(BO)は,膜性細気管支に不可逆的閉塞が生じ,進行性閉塞性換気障害で呼吸不全となる予後不良疾患である(厚生労働省指定難病228).

・病因として造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(GVHD:graft-versus-host disease)や,肺移植後の慢性移植肺機能不全(CLAD:chronic lung allograft dysfunction)がある.

・感染,自己免疫疾患,健康食品(アマメシバ),薬剤なども病因となるが,原因不明の特発性もある.

・最終的に,繰り返す気胸,気道感染,Ⅱ型呼吸不全などで死亡する.

B診断

・確定診断には組織診断が必要だが,低肺機能のため生検が困難なことが少なくない.症状と呼吸機能検査により慢性進行性の気流制限を確認し,他疾患を鑑別して総合的に診断する.

・症状:進行すると呼吸困難を呈する.

・画像診断:胸部X線画像で肺過膨脹を呈し,呼気時胸部CTでair-trappingを反映しmosaic patternを呈する.肺血流・換気シンチグラフィが早期診断に有用とされる.

・病理:膜性細気管支炎に線維化が生じ狭窄をきたす.

・呼吸機能検査:進行性の閉塞性換気障害を特徴とし,早期診断には1秒量が最も信頼性の高い指標とされる.呼吸機能検査による早期診断を目的として閉塞性細気管支炎症候群(BOS:bronchiolitis obliterans synd

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