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GL幼児・成人好酸球性消化管疾患 診療ガイドライン(2020)
治療のポイント
・慢性胃炎の治療は,H. pylori感染,薬剤性,自己免疫性胃炎,好酸球性胃腸炎など,原因に基づいて行われる.
・自己免疫性胃炎については胃癌や神経内分泌腫瘍との関連が指摘されており,厳重な経過観察が必要である.
・その他の胃炎については,原因の除去と症状のコントロールが重要である.
◆病態と診断
A病態
1.薬剤性胃炎
NSAIDsやアスピリン服用患者では,胃粘膜のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)が抑制され,胃粘膜保護に関わるプロスタグランジンE2 の発現が低下するため,胃粘膜傷害を起こす.
2.自己免疫性胃炎
自己免疫性機序により,抗胃壁細胞抗体が産生され,壁細胞が破壊・消失するために起こる.
3.好酸球性胃腸炎
好酸球を主体とした慢性炎症により消化管機能障害をきたす.主に食物に対するアレルギー反応によって起こると考えられている.
4.その他
結核,梅毒やサイトメガロウイルスなどの感染症,炎症性腸疾患に伴う慢性炎症がある.
B診断
1.薬剤性胃炎
NSAIDsやアスピリンの服用の有無を聴取する.内視鏡検査では,斑状発赤,平坦びらん,点状発赤・ヘマチンなどの所見が観察される.
2.自己免疫性胃炎
自己抗体の抗壁細胞抗体,抗内因子抗体を測定する.胃酸分泌の低下により,血清ガストリン値が高値となり,血清ペプシノーゲン値は低値となる.内視鏡検査では,胃体部優位の萎縮(逆萎縮),固着粘液や残存胃底腺粘膜がやや隆起して認められる.生検では,胃底腺の高度萎縮,粘膜深層にリンパ球や形質細胞の浸潤を認める.
3.好酸球性胃腸炎
問診で食物アレルギーの有無,アレルギー疾患の合併を聴取する.末梢血好酸球,血清IgEの上昇をチェック.内視鏡所見は浮腫,発赤,びらんなど多彩であり,生検により,粘膜内において20個/HPFの
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