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GLがん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン 2017年版 第2版
治療のポイント
・原発癌の治療とともに,癌性腹膜炎によって起きる各種症状の緩和を行う.
・各種症状が癌性腹膜炎によって起きたものかを評価したうえで治療を行う.
◆病態と診断
A病態
・癌性腹膜炎とは,原発もしくは転移性癌の癌細胞が腹腔内に散布され,腹膜に転移をした状態で起こる腹膜炎である.
・癌性腹膜炎の原因となる癌は,胃癌,大腸癌などの消化管癌,卵巣癌,子宮体癌,子宮頸癌,膵臓癌などの腹腔内臓器の癌が多いが,乳癌や肺癌など腹腔内臓器以外の癌からも生じる.
・腹水が出現し,消化管通過障害や尿管閉塞が出現することで,食欲不振,腹部膨満,腹痛,悪心嘔吐,体重減少などさまざまな症状を引き起こす.
・一般的には癌が進行した状態のため,予後不良である.
B診断
・癌性腹膜炎の可能性のある癌患者に腹水が出現した場合には,癌性腹膜炎を疑う.
・原発癌の診断前に原因不明の腹水が出現したことで癌性腹膜炎の診断に至る場合もある.
・腹部超音波検査やCT検査により,腹水の貯留や大網の不均一な肥厚などが認められる.
・腹水を穿刺可能であれば,腹水細胞診を行い,癌細胞を認めることで確定診断となる.
◆治療方針
原発癌の治療とともに,癌性腹膜炎によって起きる各種症状の緩和を行う.
癌性腹膜炎の自覚症状は特異的なものではなく,ほかの原因で起きる場合も考えられる.各種症状が癌性腹膜炎によって起きたものかを評価したうえで治療を行う.
A悪心嘔吐(消化管運動低下によるもの)
1.薬物療法
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
B腹水
1.薬物療法
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
1)フロセミド(ラシックス薬)錠
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