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GL鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症―2020年版(改訂第9版)
治療のポイント
・Ⅰ型アレルギーに対する治療,すなわち抗原除去・回避,薬物療法,アレルゲン免疫療法,手術療法が主なものである.病型と重症度に応じた適切な治療方針を選択する.
・花粉症の薬物療法では初期療法を考慮する.
・舌下免疫療法ではスギとダニの併用療法や治療終了後の効果持続のエビデンスが蓄積されてきた.
・抗IgE抗体を使用する場合は,「最適使用推進ガイドライン オマリズマブ」(2019年)に準拠し,標準的治療をしてもなお重症以上のスギ花粉症にのみ処方できる.
◆病態と診断
A病態
・季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)はⅠ型アレルギーの典型的な病態をとる.
・アレルゲン曝露直後はマスト細胞から放出されたヒスタミンによる即時相反応が病態を形成し,くしゃみや鼻汁が生じる.数時間後には好酸球性炎症により遅発相反応が起こり,鼻づまりが生じる.
B診断
・花粉飛散時期にくしゃみ,水様性鼻汁,鼻閉などの典型的な鼻症状があり,①血清特異的IgE抗体検査または皮膚テスト,②鼻汁好酸球検査,③鼻誘発試験の3つのうち2つ以上陽性の場合に確定診断できる.
・くしゃみ回数,鼻をかむ回数が1日5回以内なら軽症,6~10回は中等症,11~20回は重症,21回以上を最重症とする.
・鼻づまりは口呼吸の持続時間を基準とし,口呼吸がない鼻づまりを軽症,口呼吸が時々あるものを中等症,かなりの時間口呼吸があるものを重症,鼻が完全に1日中つまっているものを最重症とする.
・くしゃみ,鼻汁の症状が主体の場合は,くしゃみ・鼻漏型,鼻閉が主体なら鼻閉型に病型分類する.
◆治療方針
治療の原則として抗原除去・回避,薬物療法,手術療法,アレルゲン免疫療法がある.抗原除去・回避は環境整備を含めてセルフケアとして行う.
花粉症では花粉飛散数の少ない時期には初期
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