頻度 割合みる(日本人のPsAは乾癬の10~15%で人口あたり,0.01%で約10万人と推定される)
GL乾癬性関節炎診療ガイドライン 2019
◆病態と診断
A病態
・PsAは,炎症性角化症の代表である乾癬に付着部炎・関節炎・脊椎炎を合併した慢性炎症性疾患である.
・多因子遺伝性疾患であり疾患感受性遺伝子の存在に加え,皮疹および付着部炎を生じることから免疫学的機序が関与していると考えられている.近年は乾癬およびPsAの発症に重要なサイトカインとしてIL-17,IL-23が挙げられている.
・好発年齢は25~35歳であるがどの年齢でも発症しうる.また乾癬皮疹が関節炎・脊椎炎に先行して発症することが多い(約70~80%)が,約10%は関節炎が先行するため,その鑑別は慎重な判断が求められる.
・性差は海外では1:1であるが,本邦では2:1と男性に多い傾向がある.
1.臨床症状
a.関節炎・脊椎炎
・手指に腫脹および疼痛を伴う関節炎が生じる.
・多くはDIPに病変を認めかつ多関節炎型の頻度が高い.忘れてはいけないことはPsAの約30%に脊椎炎型が併存することであり,その検知には“炎症性腰背部痛”の聴取が必須である.
b.付着部炎
・腱・靭帯・関節包の骨への結合部に炎症が生じ,骨吸収および骨新生が生じることがある.
・好発部位としては,踵部(アキレス腱付着部・足底腱膜付着部)に加え,膝周囲・骨盤周囲である.同様の機序にて手指のDIP関節・伸筋腱/屈筋腱付着部,爪母を含むsynovio-enthesial complexに炎症が生じることが知られている.
c.指趾炎・ソーセージ指
・指全体がソーセージ様に腫脹する指炎は,約20~30%に生じる.関節が紡錘状に腫脹する滑膜炎とは区別が必要である.
・拇趾に生じる場合,痛風と判断されることがあり注意する.
d.皮膚症状・爪病変
・乾癬皮疹は,肘・膝蓋部・四肢の伸側・頭皮の生え
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