頻度 あまりみない
GL深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2014
治療のポイント
・真菌性髄膜炎はまれではあるが,予後不良となりやすいので,見逃さずに早期に治療を開始することが重要である.
・一般的に亜急性から慢性の経過だが,まれに急性の脳症を呈することがある.
・早期に適切な抗真菌薬の投与を開始し,長期の投与が必要となる.
・治療薬は脳への移行が低く,副作用(特に腎毒性)の強い薬剤が多いので,血液検査や尿検査をこまめに確認し,各薬剤の投与方法に沿って投与することが重要である.
◆病態と診断
A病態
・真菌性髄膜炎ではカンジダやクリプトコックス(ほとんどがCryptococcus neoformans)が主な原因である.
・カンジダ髄膜炎では脳内に多数の小膿瘍がみられることが多く,クリプトコックスでは髄膜脳炎を呈することが多い.
・そのほかに,アスペルギルスやムコールは血管内に侵入し血栓や動脈瘤を形成しやすい.
・ステロイド治療やHIV感染症などの免疫機能の低下,あるいは脳室シャント術などの医療器具が使用されている患者ではリスクが高くなり,亜急性や慢性の経過をとる.糖尿病患者ではムコール症のリスクが高い.
・発熱,頭痛(最多),嘔気・嘔吐などの症状を呈し,診察では項部硬直,意識障害などがみられる.重症例では精神症状,脳血管障害,けいれん発作などを起こす.
B診断
・脳脊髄液一般検査でリンパ球数増多(まれに多核球増多),蛋白質増加,糖低下などの所見がある.
・クリプトコックス髄膜炎は,血清・脳脊髄液中のクリプトコックス抗原検査(セロダイレクトクリプトコックス:感度90~100%),墨汁染色による菌体の確認,脳脊髄液培養(サブロー寒天培地)による菌体の確認により診断する.
・カンジダ髄膜炎は,脳脊髄液PCR(geniQカンジダ),血清のカンジダ抗原(カンジテック),脳脊髄液中のβ-D-グルカン(β-グルカン
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