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GL脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン2018
治療のポイント
・自律神経障害の治療を要する主たる症状は,便秘,排尿障害,起立性低血圧である.
・ほかの自律神経障害に及ぼす影響にも留意して最適な治療を選択する.
・排尿障害は,蓄尿障害と排出障害に分類して治療法を選択する.
・起立性低血圧の治療の際には,臥位高血圧の合併に留意する.
・非薬物療法として,食事・生活習慣の指導も重要である.
◆病態と診断
A病態
・自律神経障害は中枢・末梢神経疾患いずれにおいても生じうる.
・自律神経障害を主体とする代表的な神経変性疾患は,パーキンソン病,レヴィ小体型認知症,多系統萎縮症である.
・その他としては,糖尿病,アミロイドーシス,シェーグレン症候群,自己免疫性自律神経節障害,ファブリー病など多彩な疾患が挙げられる.
B診断
・自律神経障害の診断では問診が重要である.排便時のいきみ,排便回数,便の硬さ,夜間頻尿,1回排尿量,尿勢,尿失禁,立ちくらみ,食事性低血圧などについて聴取する.
・残尿測定,膀胱機能検査,シェロング試験(起立試験),24時間血圧測定などの検査で客観的に評価する.
・パーキンソン病・レヴィ小体型認知症と多系統萎縮症との鑑別にはMIBG心筋シンチグラフィが有用である.多系統萎縮症の診断には頭部MRIが有用である.
◆治療方針
A便秘
1.非薬物療法
規則正しい食事,適切な飲水量,食物繊維・乳酸発酵食品の摂取,適度な運動,腹壁マッサージ,排便習慣の是正,などの食事・生活習慣指導を行う.抗コリン薬,オピオイド,三環系抗うつ薬,向精神薬,抗パーキンソン病薬(ドパミンアゴニスト,アマンタジン),降圧薬(Ca拮抗薬)などの便秘をきたしうる薬剤については,必要に応じて減量または中止を検討する.
2.薬物治療
Px処方例 下記の1)または2)から始め,症状に応じて適宜3)~5)を追加するとともに,頓
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