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治療のポイント
・背景に基礎疾患がある可能性を念頭におく.
・それぞれの神経痛に特有の治療法がある場合がある.
・痛みそのものの評価をしたうえで,痛みによって生じるADL・QOLの障害の改善に治療目標を設定する.
・中枢神経障害をきたしやすい治療薬が中心となるので,効果と副作用の詳細なチェックが必要となる.
「神経痛」は単一あるいは複数の神経支配領域に沿った痛みであり,神経構造の機能障害や損傷に起因するものと推定されるが,その原因は問わず,発作性の痛みに限定されない.末梢神経の機能異常として最も普通にみられるのは感覚異常である.混合神経であれば,筋力低下や筋萎縮がみられることもある.原因不明のものから症候性のものまで含めて「神経痛」と呼称されている.
代表的なものに,「三叉神経痛」「舌咽神経痛」「後頭神経痛」「帯状疱疹後神経痛」「肋間神経痛」「坐骨神経痛」がある.
Ⅰ.三叉神経痛
◆病態と診断
A病態
・三叉神経の1つあるいは複数枝の支配領域に限局した発作性の雷撃痛をきたす.50歳以後に好発し,女性が男性より2倍頻度が高い.
・疼痛の持続は数秒から1~2分間,頻度は1日に頻回から数か月に1回ぐらいのものまである.
・“軽く触れる”,“話す”,“歯を磨く”,などによって疼痛が誘発される.通常疼痛を誘発する部位(トリガーポイントとよぶ)は一定であり,上・下口唇,鼻翼,眼窩下部,眼瞼などに存在する.
・疼痛は正中を越えて対側に放散しない.疼痛領域に感覚低下はなく,明らかな感覚低下がある場合は症候性を疑う.典型的なものは,頭蓋内小脳橋角部での血管あるいは腫瘍による三叉神経の圧迫によって,根部が脱髄することが原因であると考えられている.
B診断
・痛みに関する問診,神経学的所見と画像診断(頭部MRIによる小脳橋角部付近の血管や腫瘍病変の確認)が重要であるが,典型的な症状でも画像上神経の圧迫所見が
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