頻度 割合みる
ニュートピックス
・近年は特発性血小板減少性紫斑病ではなく,免疫性血小板減少症(ITP)の用語が用いられることが多い.
・以前は新規診断から6か月以内を急性,6か月以上経過したものを慢性としていたが,現在は診断から3か月以内を新規診断(newly diagnosed),3~12か月までを持続期(移行期)(persistent),12か月以上を慢性期(chronic)と定義している.
・小児においても,慢性ITPに対してトロンボポエチン受容体作動薬の使用頻度が増えてきている.
治療のポイント
・皮膚の出血症状のみを示し,経過観察に支障のない(外傷などのリスクが低い,過多月経がない,など)患者は,血小板数にかかわらず無治療経過観察を原則とする.
・治療目標は血小板数の正常化ではなく,中等症の出血の減少および重篤な出血を予防することである.
・血小板数に合わせた生活を強いるのでなく,スポーツへの参加などの生活スタイルやQOLを考慮して治療を決定する.
◆病態と診断
A病態
・本疾患は血小板に対する自己抗体が産生され,血小板に結合する結果,主に脾臓における網内系細胞による血小板の破壊が亢進する.一方,自己抗体は骨髄中の巨核球と結合することで巨核球の成熟障害を引き起こし,血小板産生が抑制されて血小板減少をきたす自己免疫性疾患である.
・小児では感染症やワクチン接種を契機に発症し,6か月~1年以内に自然治癒するものが多く,慢性化するのは10~20%である.
・点状出血や紫斑,鼻出血が主症状であり,歯肉出血や下血・血尿の頻度は5~20%と低く,頭蓋内出血などの重篤な出血は0.5%以下とまれである.
B診断
・10万/μL未満の単独の血小板減少があり,血小板減少をきたす他の疾患および薬剤,放射線障害などの影響が除外された場合に診断する.小児の場合には,白血病や骨髄不全症,SLE,Wiskott-Aldr
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