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GL川崎病診断の手引き 改訂第6版(2019)
GL川崎病急性期治療のガイドライン(2020年改訂版)
治療のポイント
・急性期の血管炎症状をできれば発症後10日以内に消退させ,冠動脈後遺症の発生を抑止することが最大の要点である.
・標準的治療への不応予測例に対しては,1st lineから強化療法を推奨する.
・診断の手引きが改訂され,冠動脈内径のZスコアによって冠動脈病変の評価を行うことが基準とされた.
・免疫グロブリン療法抵抗予測例に対する治療法として,1st lineからのステロイドやシクロスポリンの併用が推奨されることがガイドラインで明記された.
◆病態と診断
A病態
・主に4歳以下の乳幼児に好発する,全身の血管炎である.
・感染症などの外的刺激と,内的な疾患感受性によって発症すると考えられている.
・2019年に新型コロナウイルス感染症が出現し,欧米で多くの小児多系統炎症症候群(MIS-C:multisystem inflammatory syndrome in children)が続発症として報告され,注目されている.特に初期には,川崎病と症状に共通性があるとして,その鑑別が話題になったが,MIS-Cでは平均9歳前後と,年齢層が高いことや,アジア人の発症が少ないこと,強い消化器症状や心不全での発症が多いことなどが特徴で,日本を含めた東アジアで典型的な川崎病とされる病像とは異なっている.2019年末から,日本でもMIS-Cの発症が報告され始め,確かに川崎病と共通する症状を示し,治療も免疫グロブリン大量静注療法(IVIg:intravenous immunoglobulin)やステロイド(いずれも保険適用外)が効果を示すことが多いとされる.また,年少時でCOVID-19の後に川崎病を発症した場合も少数だが報告されており,MIS-Cと川崎病には発症機序に共通性がある可能性が注
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