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GL小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020
治療のポイント
・小児期には喘息以外でも喘鳴を起こす疾患が多いため,鑑別診断を常に念頭におく.
・重症度・コントロール状態を評価し,増悪因子の有無も考慮して治療を決定し,さらにその反応により再評価する.
・年少児でも中等症持続型以上では,躊躇せずに吸入ステロイドを導入する.
・吸入薬では吸入方法やアドヒアランスにより治療効果に差がでるので,繰り返し手技を確認する.
・小児喘息には自然寛解もあるので漫然と治療を継続しない.
◆病態と診断
A病態
・基本病態は小児でも慢性の気道炎症と気道過敏性の亢進である.
・発作性に起こる気道狭窄により,咳嗽,呼気性喘鳴,呼吸困難を繰り返す.
・気管支平滑筋の収縮,気道粘膜の浮腫,気道分泌亢進による気流制限は可逆的である.
・気道炎症が持続すると気道リモデリングという器質的変化が生じ,気道過敏性の亢進,気流制限の悪化など悪循環をきたす.
・小児ではIgE抗体が関与する2型気道炎症を主とするアトピー型喘息が多い.
B診断
・反復する発作性の喘鳴や呼吸困難,可逆性の気流制限,気道過敏性亢進などの症状が重要である.
・小児ではアレルギー疾患の既往歴,吸入抗原特異的IgE抗体高値,家族歴も参考になる.
・乳幼児期は特に先天異常による気道狭窄,気管軟化症,胃食道逆流症,急性細気管支炎,気道異物などとの鑑別が必要である.
・年長児ではスパイロメトリーによる閉塞性換気障害の確認,呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)の上昇などが診断に役立つ.
◆治療方針
気管支喘息の治療には,基本病態である気道慢性炎症に対する長期管理薬と,急性増悪(発作)に対する一時的な対応がある.長期管理の目標は気道炎症の抑制と無症状の維持,呼吸機能の正常化である.薬物療法だけでなく,悪化因子の除去などの環境整備や,セルフモニタリングを含む患者教育が喘息治療に果たす
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