頻度よくみる
GL良性発作性頭位めまい症診療ガイドライン(医師用)(2009)
治療のポイント
・末梢性めまいで最も頻度が高い疾患であることを伝え,患者の不安を取り除く.
・耳石置換法などの理学療法が有効で,積極的な頭位変換運動を促す.
・再発率が高く,十分な水分摂取や同一姿勢の回避,高めの枕で就寝するなど,日常生活上の指導を行う.
◆病態と診断
A病態
・耳石器である卵形嚢から剥がれた耳石が半規管に入り込み,頭位変換に誘発され,めまいと眼振を引き起こす疾患である.
・半規管内を浮遊する耳石片の移動によって生じる内リンパ流動が刺激となる半規管結石症と,耳石片が膨大部にあるクプラに付着し症状を引き起こすクプラ結石症がある.
B診断
・解剖学的に耳石が迷入しやすい後半規管型結石症が一番多い.頭位変換眼振検査により,患側下向きで数秒の潜時をもって回旋性眼振を生じる.眼振の持続は一般に1~2分以内で,めまい頭位から坐位で眼振は反対方向になり,頭位変換を繰り返すと眼振は減弱・消失する.
・一方,クプラ結石症では眼振が数分以上持続する.
・外側半規管結石症では,臥位の頭位変換にて方向交代性の眼振が生じる.
・めまいの発現状況や持続時間からメニエール病との鑑別を行う.
・非定型的な眼振が観察された場合には,すみやかに画像検査を行い中枢性めまいを否定する必要がある.
◆治療方針
A急性期治療
夜間や明け方に経験する激しい悪心・嘔吐のため,救急外来を受診する症例も多い.
1.薬物療法
Px処方例 内服が不能な場合は1)~3)を併用する.
1)炭酸水素ナトリウム(メイロン薬)注(7%) 1回125~250mL 点滴静注
2)メトクロプラミド(プリンペラン薬)注 1回10mg 筋注あるいは静注
3)ヒドロキシジン(アタラックス-P薬)注 1回25mg 筋注
内服可能な場合は4)~6)を併用する.
4)アデノシン三リン酸(アデホス薬)顆粒 1
関連リンク
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- 治療薬マニュアル2023/メトクロプラミド《プリンペラン》
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- 治療薬マニュアル2023/アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物《ATP アデホス トリノシン》
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