頻度 よくみる
治療のポイント
・胸部外傷で最も多く,胸部への鈍的外傷で起こる.
・疼痛により自発呼吸や咳嗽が抑制され,低換気から肺炎や無気肺をきたす.
・治療は疼痛管理を行う.
・高齢者は無気肺,肺炎などの合併症により死に至ることがある.
・高度な変位やフレイルチェストでは手術適応となることがある.
◆病態と診断
A病態
・交通事故や転落・転倒などで起こり,日常診療でもよく遭遇する.
・高齢者では軽微な外傷で起こり,また激しい咳や運動でも起こる.
・小児の肋骨は柔軟性があり,骨折を生じるにはより大きな外力が必要である.さまざまな治癒段階にある複数の骨折の存在では虐待の可能性を考える.
・骨折部に圧痛があり深呼吸,咳,胸の動き,くしゃみなどで痛みが増強する.
・血胸,気胸,肺挫傷,無気肺,肺炎などを合併することがある.
・骨折は外力が加わった部位や弱い後外側屈曲位で起こることが多い.
・肋骨骨折自体は生命を脅かす損傷で