頻度 ときどきみる
治療のポイント
・主にニコチンによる急性中毒症状が出現する.
・胃洗浄はリスクのほうが大きいため実施しない.
・成人では自殺企図の可能性を念頭に治療にあたる.
・タバコの浸漬液の誤飲は,小児だけではなく認知機能低下の高齢者も注意が必要である.
◆病態と診断
A病態
・ニコチンはアルカロイドの一種であり毒性は強い.
・ニコチンの致死量は小児で10~20mg(紙巻きタバコ1~2本),成人で40~60mgといわれているが,明確なエビデンスが存在しない.またニコチンによる強い催吐作用が表出するため,吸収前に嘔吐して排出し,吸収されても大部分が肝臓でコチニンに変換されるので軽症であるケースがほとんどである.
・従来紙巻きタバコでの事故が最多であったが,近年では加熱式タバコによる事故が上回る.
・5歳以下の子供の誤飲・誤食が多く,住居内での曝露が大多数である.
・ニコチンはニコチン性アセチルコリン受容体(