頻度 あまりみない
治療のポイント
・急性期は経時的に増悪することがあり,呼吸のみならず全身状態の評価・管理を継続する.
◆病態と診断
A病態
・フグ中毒の原因物質は主にテトロドトキシン(以下,TTX)であり,ヒトにおける経口摂取での致死量は1~2mgである(ハコフグ科はTTXをもたず,パリトキシン様の成分やパフトキシンをもつ).
・TTXは,フグの種類にもよるが,肝臓や卵巣,腸などに多く,一般的な加熱調理では分解されない.季節により毒の量も変化する.
・処理などにより人の健康を損なうおそれがないと認められるフグの種類は21種類あり,それぞれに対し可食部位が決められているが,交雑種などでは既知の可食部位の知識が通用しないこともあるうえに,養殖フグにおいても養殖方法によって毒性を生じることがある.
・TTXは,フグだけでなく,アカハライモリ,ヒョウモンダコ,スベスベマンジュウガニなどももっており,ビブリオ属