診療支援
治療

ボレリア感染症(回帰熱,ライム病) [■4類感染症]
borreliosis(relapsing fever and Lyme disease)
平井由児
(東京医科大学八王子医療センター教授・感染症科)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・適切な病歴聴取と診断に基づき,ドキシサイクリンによる治療が原則である.

・髄膜炎や心筋炎を伴うライム病では,点滴静注による治療としてセフトリアキソンが選択される.

◆病態と診断

A病態

・ライム病は主にBorrelia burgdorferiによって引き起こされる感染症である.

・回帰熱は主にBorrelia hermsiiによる古典的回帰熱と,1995年に日本で発見されたBorrelia miyamotoiによる新興回帰熱(BMD:Borrelia miyamotoi diseases)に大別される.前者は輸入感染症,後者は国内での報告もある.

・鳥類やげっ歯類が保菌するBorrelia属(梅毒と同じスピロヘータ属)を,主にヒメダニ・シラミ(重症化する傾向あり)が媒介する古典的回帰熱と,シュルツェマダニが媒介する新興回帰熱・ライム病がある.

・古典的回帰熱はヨーロッパ

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