頻度 あまりみない
治療のポイント
・ワクチン接種による予防効果が大きい感染症である.
・小さな創傷でも発症しうるため,ワクチン未接種あるいは接種歴が不明な場合は破傷風の発症予防のため,破傷風トキソイドワクチンを接種する.
・破傷風感染を疑った時点で直ちに治療を開始することが重要である.
・治療経過中のけいれんや呼吸停止の際に気管挿管が必要になるため,常に麻酔科医,集中治療専門医と連携して対応することが重要である.
◆病態と診断
A病態
・破傷風は,Clostridium tetani(破傷風菌)が産生する神経毒素による神経疾患である.破傷風菌は,偏性嫌気性グラム陽性有芽胞桿菌であり,芽胞の状態で土壌などの環境中に広く分布している.
・外傷からの感染以外に,動物の口腔内や腸内などからも菌が検出され,動物咬傷例もある.
・破傷風菌は創傷から侵入し,嫌気状態の創傷部で発芽・増殖し,毒素を産生する.毒素は血行性,リ