診療支援
治療

風疹 [■5類感染症-全数把握]
rubella(German measles)
尾内一信
(川崎医療福祉大学特任教授・子ども医療福祉学)

頻度 ときどきみる

治療のポイント

・対症療法.

・予防には弱毒生ワクチンによる予防接種が有効である.

◆病態と診断

A病態

・風疹ウイルスはTogavirusRubivirus属に属する直径60~70nmの(+)鎖の1本鎖RNAウイルスで,エンベロープを有する.

・上気道粘膜より排泄されるウイルスが飛沫・接触感染で伝播され,基本再生算数(R0)は5~7である.潜伏期間は14~21日である.

・発症すると発熱発疹リンパ節腫脹(ことに耳介後部)が出現するが,発熱は風疹患者の約半数にみられる程度である.また不顕性感染が15~30%程度存在する.3徴候のいずれかを欠くものについての臨床診断は困難である.溶血性レンサ球菌による発疹,伝染性紅斑,修飾麻疹,エンテロウイルス感染症,伝染性単核球症など発熱発疹性疾患や薬疹との鑑別が必要であり,確定診断のためには検査室診断を要する.

・合併症には,血小板減少性紫斑病(

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?