頻度 情報なし(特定の疾患を指す病名ではないため.真の不明熱はまれとされている)
◆病態と診断
A定義
・実臨床では,局所症状を伴わない発熱患者にしばしば遭遇することがあり,“不明熱”とよばれることがある.しかしながらこの表現は正しくなく,不明熱は“有熱性疾患を鑑別するためのさまざまな精査が行われてもなお発熱が続く状態”のことを指す.
・古典的には,表1図のようにPetersdorfおよびBeesonが1961年に提唱した定義がある.さらに1991年には,DurackとStreetによって基礎疾患や場面に合わせて4つに分類された(表2図).しかしながら,時代とともに診断可能な疾患が増え,また疾患概念そのものも変化することなどから,不明熱を細分化して考えるのではなく,「一般臨床で行える範囲で検査・鑑別をしてもなお発熱の原因がわからない状態」とするのが適切であろう.
B病態
・当初は不明熱とされていてのち