診療支援
治療

肺結核
pulmonary tuberculosis
露口一成
(国立病院機構近畿中央呼吸器センター・感染症研究部長(大阪))

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治療のポイント

・結核は標準化学療法により治癒が期待できる感染症であるが,薬剤が有効であることが前提であり,診断時に可能な限り菌を証明する努力を行い薬剤感受性を確認する.

・薬剤耐性誘導を避けるため,必ず多剤併用療法を行う.

・治療期間が長期となるため,副作用のモニタリングと直接監視下服薬治療(DOT:directly observed therapy)による服薬支援が重要である.

◆病態と診断

A病態

・肺結核は結核菌Mycobacterium tuberculosisによる肺感染症である.結核菌は環境には常在せずヒトの体内でのみ増殖するので,感染は必ず感染性肺結核患者からの伝播による.

・感染性肺結核患者の咳嗽により生成された結核菌を含む飛沫核を周囲の健常人が吸い込み,肺胞に到達することにより感染が成立する(空気感染).感染に続いて発病することもあるが,多くはいったん免疫発動により

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