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GL自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2021年)
治療のポイント
・自己免疫性肝炎の病型や重症度を判断する.
・合併症(自己免疫性肝炎以外の自己免疫性疾患,骨粗鬆症,うつ,HBV感染,メタボリックシンドロームなど)の有無を確認する.
・治療反応性を評価し,薬剤投与量の減量に伴う再燃や長期投与による副作用に十分注意する.
・アザチオプリン治療を行う場合には,NUDT15遺伝子型を確認後に治療を開始する.
◆病態と診断
A病態
・自己免疫性肝炎は中年以降の女性に好発し,発症・進展に自己免疫機序が想定されている.
・発症は急性・慢性いずれも存在し,急性発症の場合には急激に病状が進行し肝不全に至る場合がある.
B診断
・他の原因による肝障害が否定されることが必須である.
・血液検査所見(抗核抗体,抗平滑筋抗体,血清IgG値),肝組織におけるinterface hepatitisや形質細胞浸潤の所見,副腎皮質ステロイドの著効が診断項目である.
・国際AIHグループ(IAIHG)の改訂版国際診断基準・スコアリングも参考にする.
◆治療方針
肝酵素やIgGを正常化させ,肝硬変や肝不全へ進行させないことが治療目標である.「自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2021年)」に則り重症度判定を行い,治療反応性を評価しながら治療を進める.肝酵素が正常範囲の場合でも,肝組織で肝炎の活動性が確認されれば治療対象となる.
A自己免疫性肝炎と診断した場合の治療
Px処方例 下記のいずれかを用いる.