頻度 ときどきみる
治療のポイント
・比較的小さいものは抗菌薬投与のみで消失する場合もあるが,多くは経皮的ドレナージを必要とするため,処置が可能な施設に転送するべきである.
・血液培養・ドレナージ成分の培養を積極的に行い,起因菌の同定を行うべきである.
・膿瘍の原因となった基礎疾患について追求すべきである.
◆病態と診断
A病態
・肝膿瘍はさまざまな病原体が感染し肝臓に膿瘍を形成する疾患である.病原体の侵入経路としては,①経胆管的,②経門脈的,③経動脈的が考えられる.
・①については,胆嚢炎が肝床部に直接波及して膿瘍を形成することもあるが,下部胆管の狭窄のために起こる胆管炎が肝実質に波及して起こることが多い.肝癌に対するラジオ波凝固術や肝動脈塞栓療法などのあとに発生する肝膿瘍は,内視鏡的乳頭切開術や胆管空腸吻合を受けた患者で発生リスクが高いことが知られている.
・②については他の腹腔内臓器の感染,すなわち膵
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム《ユナシン-S》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)タゾバクタム・ピペラシリン水和物(タゾピペ)《ゾシン》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)セフトロザン硫酸塩・タゾバクタムナトリウム《ザバクサ》
- 治療薬マニュアル2024/メトロニダゾール《アネメトロ》
- 今日の治療指針2024年版/無芽胞嫌気性菌感染症 [■その他]
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/11 肝膿瘍
- 臨床検査データブック 2023-2024/肝膿瘍
- 新臨床内科学 第10版/11 肝膿瘍
- 今日の診断指針 第8版/メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症
- 今日の小児治療指針 第17版/胸膜炎,膿胸