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ＧＬ胆石症診療ガイドライン2021（改訂第3版）

ニュートピックス

・術後再建腸管の総胆管結石例において，小腸バルーン内視鏡下治療が広く行われるようになっている．

・小腸バルーン内視鏡下治療が困難な例では，超音波内視鏡下治療が新たな方法として注目されている．

治療のポイント

・無症状胆嚢結石は原則として経過観察だが，腹部超音波など定期的に画像検査を行う．

・有症状胆嚢結石や胆嚢炎合併例，胆嚢癌の合併を否定できない例では，外科的切除を勧める．

・総胆管結石は症状の有無にかかわらず，治療を勧める．

・胆嚢結石合併総胆管結石では，内視鏡的総胆管結石除去術後に胆嚢摘出術も検討する．

◆病態と診断

A病態

・胆石は存在部位により，胆嚢内にある胆嚢結石，肝外胆管にある総胆管結石，肝内胆管にある肝内結石に分類される．

・胆石は成分によって，コレステロール結石，色素結石，その他に分類される．

・ほとんどのコレステロール結石は胆嚢で形成される．

・胆嚢からの落下胆石を除くと，総胆管結石はビリルビンカルシウム結石が多い．

・胆嚢結石が胆嚢頸部あるいは胆嚢管に嵌頓，もしくは総胆管結石が胆管下部あるいは乳頭部に嵌頓すると腹痛を生じる．

・胆石発作の特徴的な症状は，高脂肪食後の右季肋部～心窩部の激しい腹痛である．

・右の肩甲骨～肩にかけての放散痛や悪心，嘔吐を伴うことも多い．

・胆嚢炎を伴うと発熱を認める．

・総胆管結石では，右季肋部痛に加えて黄疸を認めることが多い．

・胆管炎（急性閉塞性胆管炎）を発症すると発熱を伴う．

・病歴や身体所見から胆石症を疑った場合は，まず血液検査，腹部超音波検査を行う．

・腹部超音波検査で胆嚢描出不良や結石診断困難な症例では，CT，MRI/MRCP（magnetic resonance cholangiopancreatography；磁気共鳴胆道膵管造影），超音波内視鏡検査などで診断する．

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