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GL急性膵炎診療ガイドライン2021(第5版)
治療のポイント
・診断基準に基づいて診断を行うとともに,病歴聴取,血液検査および画像検査により成因を検索する.
・急性膵炎と診断した場合は原則入院治療を行う.入室前より呼吸・循環器モニタリングと初期治療をすみやかに開始する.
・予後因子およびCTにて重症度判定を行い,重症度に応じたモニタリングおよび治療を行う.また,初診時に軽症であってものちに重症化するリスクがあり,経時的(特に48時間以内)に繰り返し重症度判定を行う.
・自施設で対応が困難である場合は,すみやかに重症急性膵炎に対応可能な施設への転送を考慮する.
・急性膵炎の病態は病期により異なり,急性期を過ぎたあとでも感染合併症への注意が必要である.
・Pancreatitis Bundles 2021を遵守した診断と治療を心がける.
◆病態と診断
A病態
・急性膵炎は,アルコールや胆石などさまざまな原因により膵臓内で膵消化酵素が活性化し,膵臓の自己消化に至る急性炎症である.
・膵消化酵素のトリプシノーゲンの膵内活性化により生成されたトリプシンが,連鎖的に他の膵消化酵素を活性化することで発症する.
・急性膵炎は代表的な急性腹症であり,消化器専門医のみならず一般臨床の場で多くの医師が遭遇する可能性が高い疾患である.
B疫学
・全国調査(2016年)によれば,年間受療者数は78,450人であり,人口10万人あたり61.8人と推計されている.2011年の受療者数は63,080人であり,2016年の受療者は約25%増加している.
・成因では,アルコール性が最も多く32.6%であり,次いで胆石性25.8%,特発性19.1%である.
・成因には性差があり,男性ではアルコール性が42.8%,胆石性19.8%,特発性16.2%である.一方,女性では胆石性が37.7%と最多で,次いで特発性24.8%,アルコー
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