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治療のポイント
・血清カリウム(K)値は心筋細胞の静止膜電位を規定しており,その濃度異常は致死性不整脈の原因となるため,重症の場合,緊急性治療の必要性が高い病態である.
・重度のK濃度異常(6.0mEq/L以上,3.0mEq/L未満)では12誘導心電図による評価を行う.
・Kの摂取,Kの排泄,細胞内外の移動,どの病態が発症に関与しているかを常に念頭におく.
Ⅰ.高K血症
◆病態と診断
・腎機能が正常であり,Kの排泄機能が保たれていれば,単にK摂取が多いのみで高K血症となることはまれである.
・高K血症の原因は複合的なものが多く,多くの場合排泄の障害である腎機能障害を伴う.また細胞内Kが細胞外へと移動するような病態も確認する.
・薬理作用として,Kの排泄が低下する薬剤(特にレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の阻害薬)が原因となる.
・溶血などによる偽性高K血症が疑われる場合は,再検を行う
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