診療支援
治療

巨赤芽球性貧血(悪性貧血を含む)
megaloblastic anemia(including pernicious anemia)
石川隆之
(神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院・副院長)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・MCVが100fL以上の場合,本病態を疑い血清ビタミンB12 値と葉酸値を測定する.

・貧血のほか,舌炎,味覚障害,毛髪の白色化など多彩な症状を呈すことがあり,ビタミンB12 欠乏では脊髄後索障害,末梢神経障害,認知機能低下を伴うことがある.

・ビタミンB12 もしくは葉酸の補充による貧血の改善傾向は2週間以内に認められる.

・欠乏の原因を補正できれば継続治療は不要であるが,悪性貧血では生涯にわたっての補充療法が必要となる.

◆病態と診断

A病態

・巨赤芽球とはDNA合成障害により生じる核クロマチン凝集の乏しい大型の赤芽球のことで,ビタミンB12 もしくは葉酸欠乏がその背景にある.

・ビタミンB12 は胃壁細胞で産生される内因子と結合し,回腸末端で吸収される.抗内因子抗体によりビタミンB12 の吸収ができないことで生じた巨赤芽球性貧血を悪性貧血とよぶ.

・その他,ビタミン

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