診療支援
治療

高浸透圧高血糖状態,乳酸アシドーシス
hyperosmolar hyperglycemic state(HHS)and lactic acidosis
金崎啓造
(島根大学教授・内科学第一)

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治療のポイント

・高浸透圧高血糖状態の治療の基本は,減少した体液量・破綻した電解質の補正,および適切なインスリン投与であり,適切な輸液を行いつつ専門医のいる病院に搬送する.

・高浸透圧高血糖状態であってもケトーシスを伴うこともあるが,通常著しい代謝性アシドーシスは呈さない.

・乳酸アシドーシスに対する治療の基本は原因となる病態への対処と輸液であり,重症例では血液透析を行う.

・乳酸アシドーシスに対する炭酸水素ナトリウムの投与は適応を絞る.

◆病態と診断

A病態

1.高浸透圧高血糖状態

・以前は非ケトン性高浸透圧昏睡という病名であったが,ケトーシスを伴うこともあり,また昏睡になることはまれであるため,高浸透圧高血糖状態と称されるようになった.

・インスリン非依存状態が基本病態であるが,著しい高血糖高度な脱水に基づく高浸透圧血症に伴う循環不全を呈する.

・高齢2型糖尿病症例において,薬剤に対す

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